村田 仁(むらた じん) 詩人

言葉を文字に返さず、絵と空間と行為による「詩」に残そうとしている。
その詩は、地味な色彩だ。緑の黒板に白のチョークといった、一般にそのものだと認識される色を好む。
書きとめられるもの、声にされた痕跡である。

構想している作品は「エコー」という題で、胎児を写したエコー写真を見たときに「ここが頭でここが足で」と教えられて混乱した体験が「抽象絵画を見て、ここに目鼻口がありそう」と見ることのように思え、それについてを語る作品である。
鉛筆画に朗読を重ねる映像詩を考えている。

(2019年 1月15日 記)


1979年 三重県出身。
 被災地への安否確認を読みあげるテレビ放送を呈示する「言葉で願う夜」(05)。クリスマスのコンビニにて詩を店内放送する「おじいさんに会いに行く、冬。」(’04)。美術館内を歩き回っては詩をその場でつくり、読み上げては鉛筆で書いてその場に置いていく「徘徊する詩”愛の前”」(’09)(「開館5周年記念展 愛についての100の物語」金沢21世紀美術館)。地上アナログテレビ放送終了へ手向けた映像詩「世界の終了ではない」(’11–13) くうちゅう美術館 、入ることができない蔵から朗読が聴こえてくる「蛙の国会、人の町」(’16)など、詩を行っている。
 また、中高生ら参加による「声変わりの日」(’10-11) 三重県立美術館。小牧市文化振興課主催絵画鑑賞講座での「絵画へラヴレター」(12) 、ポエトリーフィールドワーク「中川運河の詩から」(14、15)、小学三年生の詩作授業を基に展覧会を構成する「かえるのうた Beautiful Young Generations」(’17 文化フォーラム春日井)、イラストレーター安西水丸展のなかで、絵と詩を実作する「私の水平線」(’17 清須市はるひ美術館)、絵と詩の関係を話したあとで、展示された絵に向かって鑑賞者が詩を読む「え!から詩集を綴ろう」(’18 メナード美術館)、図書館内を廻って詩作を行う企画「図書館の森で迷子を楽しむ」(’18 名古屋市鶴舞中央図書館)など、ワークショップを通した作品も展開。
 詩人 小松亮一氏とのコラボレーション「ブルーマヨネーズ」(’99-)では 互いの詩を並立させ、混ざり合えないことを意識化し、ブックメイキングからなるプロジェクト作品「The Constellating Recollections. 記憶の星座化」(’03) では、写真家 山田亘氏と共に 他者との記憶の共有を試みた。

 名古屋市長者町トランジットビルにて「アートセンター[Yojo-Han]」をアーティスト四名と共にはじめる (12) (岡川卓詩、村田仁、安原弘高、山田亘 の四名)。アートセンター[Yojo-Han] では、詩の教室「詩から」を開講 (’14 – 現在) 。教室主催の朗読会や詩集刊行(’15、17)も行っている。NHK 文化センター名古屋にて詩の講座「詩を書く朝、心よ起きて。」(’15、16)「木曜ポエトリー 〜詩の宿題、それは命題〜」(’17 – 現在)も担当。
長者町で、都市農業とアートのプロジェクト「ART FARMing」(’19)に参加。
 雑誌「東京荒野」に詩が掲載される。第4号「八月三十一日のお勝手」第7号「単色の憎愛」(共に ’16)第11号「LEUCHTTURM 1917 のように」(’17)第15号「星の後退」(’18)