おじいさんに会いに行く、冬。

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[ おじいさんに会いに行く、冬。 ]

2005年、12月24日、コンビニエンスストアー「ファミリーマート前田町一丁目店」の
店内にて、一日中、詩を展示し、定刻に詩を朗読します。
店内ポップに「サンタクロースに会ってきた詩人来店」という鉛筆書きの言葉を掲示。
特設台には、楽譜のような詩集「おじいさんに会いに行く、冬。」が置かれ、自由に閲覧ができ、
コピー機を使用して購入ができます。(全編 40円 本解説含む)
また、店内放送では、同詩の朗読が流れています。
この朗読は、子どもとおじさんによるものです。
定刻に行う朗読は、詩人本人によるもので、来店して行います。

1977年アメリカで、8歳の女の子が
新聞社に 「サンタクロースって本当にいるんでしょうか?」 と手紙を送りました。
それを受けた記者は、その質問に紙面で答え、そのファンタジーを信じる心を育む名記事を残しました。
この問いは昔に限った問いではなく、いつの時代の子どもたちも、同様に持つものだと思います。
疑わしいのは、子どもがいま、その問いを言葉にすることができるかということです。
子どもも、大人も、皆、ファンタジーを食べなくては生きていけないということに気付きつつ、
「ファンタジーを信じろ」という、清い言葉への白々しさを、子どもも大人も勘付いているようです。

その無力なものを甦らせるべきだという正攻法の言葉が「詩」であり、
ファンタジーを疑う本心を言葉にするのも「詩」であると考えます。

そもそも、この冬にまとわりつく「ファンタジー」とは何でしょうか?
家族や仲間どうしで集まる行事と「ファンタジー」は無関係なのでしょうか。

コンビニエンスストアーというところは、無駄なところの全くないお店です。
店内に並ぶものは全て、我々が欲しているファンタジーです。
年中無休で並ぶそれらに、私は「詩」を展示しました。
クリスマスイヴの一日のみ、それらは読まれますが、書いてあることは、この冬から広がる毎日です。

※(原題,Yes, Virginia, There Is a Santa Claus. 著,Francis Pharcellus Church 訳,中村 妙子, 東 逸子/偕成社/1977 日本版)

期日・2005年 12月24日
詩の朗読・11:00、18:00、23:50
詩の展示・0:00-24:00
会場・ファミリーマート豊橋前田町一丁目店
企画提供・河村緑
写真・藤井昌美
協力・ファミリーマート豊橋前田町一丁目店
2005/Jin Murata

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