絵画へラヴレター

絵画鑑賞講座・詩のワークショップ
「絵画へラヴレター」

絵画作品を鑑賞し、色、かたち、物語など三つの要素を書き出すかたちで詩を書き出します。
薄桃色の手紙に自分の愛用ペンで手書きでしたためることによって、絵画へのラヴレター詩を作ります。
それは愛のある絵画批評になり、最も絵画に寄り添うものです。

【ワークショップ 概要】
参加者が持参した、好きな絵画が載っている画集。
小牧市立図書館よりお借りした多くの画集を手に取って、
各々が好きな(気になる)絵画作品を選びます。
その作品を鑑賞して感じた3つの要素を書き出し、絵画へラヴレターとして綴ります。
3つの要素とは「色の感触」「想像(妄想?)できる物語」「描き方」です。

ラヴレターは画家宛ではなく、その一枚の絵画へ向けられた詩です。
絵画と自分自身をつなぐ思いなのです。

また、出来上がったラヴレターを実際に封筒に入れて、「その絵画と出会いたい場所」を宛名に書き記すことで更に鑑賞を広げました。



「絵画へラヴレター」を行って。

好きなことを好きと言うことは、簡単なようでいてとても難しい。ましてや手紙として書いて、紙に残るかたちで送るなんてことは、ぶつくさ文句をつぶやくのと違って逃げ場が無い。自分が裸になってしまうから、とても恥ずかしいと思われる。
それでも人は、心奪われるほどの感動の前でだけ、その気持ちを伝えて、感動が逃げていってしまわないようにする。たとえそれが届かない相手だとしても、送りたいと思う瞬間はかけがえのない大切なものだ。

絵画は言葉ではないから、絵画から感じたこと、気持ちの動きを言葉にしても、言葉で確かめさせてはくれない。ただ、人が感じたことを書き留めたラヴレターだけが残り、何を告白されても絵画は同じ色の光を放っている。たとえ画家が何かを説明していたとしても、ラヴレターは破られない。送るのもしまい込むのも自由だ。

この「絵画へラヴレター」を受講した方が、絵画へ自由に語ることができたら、とても嬉しい。

村田 仁

企画・平成23年度絵画鑑賞講座
主催・小牧市教育委員会 文化振興課
期日・2012年2月5日(日)12日(日)両日とも午前中のみ
ワークショップ風景写真/河面 理栄
展示記録写真/藤井 昌美

Jin Murata/2012

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